アデュ
1歳
南スーダン
ここは、アフリカ・南スーダンのとある村にある保健センターです。
1歳のアデュちゃんが、この保健センターにやってきました。1歳頃の赤ちゃんは、日本で育つとおよそ10キロ以上の重さになります。でも、当時のアデュちゃんは6キロしかありませんでした。世界では多くの子どもが、5歳になる前に命を失っています。その死因には「風邪」や「げり」などが挙げられています。
日本の赤ちゃんは、たとえ風邪をひいたり、げりになったりしても、命を失うようなことにはなりませんよね。なぜでしょう?
それは、お医者さんにかかったり、薬がすぐに手に入ったりするからでもありますが、なにより、ふだんから栄養がとれていて、病気とたたかう力、回復する力が十分にあるからです。
栄養不良になってしまうと、子どもの命と成長が大きくおびやかされます。
アデュちゃんに、いったいなにが起きたのでしょう。映像をご覧ください。
栄養不良の子どもたち
※数値・データはすべて2022年時点のものです。
国ごとの5歳未満児死亡率
出典:Levels and Trends in Child Mortality 2020(UN IGME)
出典:Levels and Trends in Child Mortality 2020(UN IGME)
世界の5歳未満児のうち、栄養不良の子ども
※数値・データはすべて2022年時点で確認できた最新です
5歳の誕生日をむかえる前に命をうしなう子どもたち。その原因のおよそ半分に栄養不良が関係しています。子どもたちの栄養不良の状態は、大きく分けて「発育阻害」「消耗症」「過体重」に分類することができます。
「発育阻害」とは日常的に栄養が足りていない状態で、年齢のわりに身長が低く、脳の発達が遅れることもあります。
「消耗症」は、急激に栄養不足が進んだ深刻な状態です。やせ細って、病気にかかりやすく、命をうしなうこともあるため、緊急の治療が必要です。
一方、標準より体重の重い「過体重」の子どもも増えています。値段が安く高カロリーですが、栄養価の低い加工食品が広まったため、特に貧しい家庭の子どもたちに増えています。
子どものときに栄養不良になると、身体や脳が十分に発達するチャンスがうしなわれ、その子の将来をもおびやかします。