サジャ
12歳
シリア
中東の国シリアでは、2011年に紛争が始まりました。
サジャさんは、アレッポという街で暮らしています。家族や友だちを爆撃で失い、サジャさん自身も片足を失いました。映像では、サジャさんが、自分のまわりでどんなことが起きたのかを聞かせてくれます。
このような争いや、あるいは、自然災害、貧困や障がいの有無、言葉の問題などで、まなぶチャンスをうばわれている子どもたちが、この世界には、たくさんいます。
学校に通えていたとしても、教科書やノートがなかったり、教えてくれる先生がいなかったり、学校の設備がととのっていなかったりして、充分にまなぶことができない子どもたちも、大勢います。
教育を受けられない 子どもたち
※数値・データはすべて2022年時点のものです。
貧困、政情不安、紛争、自然災害、障がい・・・さまざまな理由で多くの子どもたちが、学校教育から切り離されています。女の子の教育機会が大きく制限されている国もあります。訓練を受けた教師や、教材・施設の不足のため、学習ができない子どもたちがいます。空腹や病気、仕事や家事で疲れきって、授業に参加できない生徒もいます。不平等をさらに深刻にしているのが、デジタル環境格差です。世界の学齢期の子どもたちの約3分の2の家庭には、インターネットがありません。
子どもにとって「安心・安全な場所」であるはずの学校が、紛争が続く地域に暮らす子どもたちには「危険な場所」になってしまっています。2020年の1年間に、確認されただけで、学校への攻撃は535件にのぼりました。2019年と比較して17%も増加しています。
また、兵士たちの基地として占領されたり、避難所として使われることで、授業をおこなえなくなる学校もたくさんあります。
教育を受けられないことで、
子どもたちがうばわれているものはなんでしょう?
紛争地で起きている重大な子どもの権利侵害
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子どもの殺傷
地雷や人口が密集する地域での爆発性の武器の使用で子どもたちが巻き込まれています。子どもたちが攻撃の標的となったり、逮捕・監禁・拷問されたり、「自爆攻撃」に使われたりすることも少なくありません。
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子どもの利用
子どもたちは、兵士のみならず、料理人や荷物運び役、メッセンジャー、スパイとして、武装勢力に使われます。
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学校や病院への攻撃
子どもたちが安心・安全に過ごせる数少ない場所であるはずの学校や病院が攻撃され、子どもたちは授業や医療を受けられなくなります。
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性的暴力
武装勢力によるレイプ。性的奴隷。人身売買。強制売春。強制結婚。不妊手術の強要。こうした性暴力にあっても、被害をうったえることができる子どもや女性はごくひとにぎりです。
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子どもの拉致
紛争の混乱の中、多くの子どもたちが連れ去られています。地域住民に恐怖心をあたえるため、人身売買のため、子ども兵士にするためなど、その理由や目的はさまざまです。
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支援の妨害
人道支援活動や物資の輸送が、武装勢力によってはばまれたり、人道支援活動をしている国際機関やNGOの職員や車両、建物が攻撃の対象になったりして、子どもたちの支援がさまたげられることがあります。
「紛争下における子どもの保護のための枠組み」に関する国連安全保障理事会決議S/RES/1612 (2005)より