スモン
11歳
バングラディッシュ
世界中で、たくさんの子どもたちが働いています。
私たちの身の周りにある、洋服や食品、電化製品も、もしかすると、子どもたちが働いた結果できたものかもしれません。ほう製工場や農場にも、スマートフォンに使うレアメタルをほる危険な鉱山にも、家事手伝いを必要とする家にも、何時間も休みなく働かされている子どもたちがいます。
この男の子は、スモンさん。南アジアのバングラデシュという国に住んでいます。スモンさんは、アルミ食器の工場で働いています。おとな顔負けのスピードで、手際よく働きますが、裸足で、金属の粉やほこりを防ぐマスクもありません。
働かされる子どもたち
※数値・データはすべて2022年時点のものです。
産業別
出典:Child Labour: Global estimates 2020, trends and the road forward(UNICEF 2021)
地域別の子どもの人口に占める割合
出典:Child Labour: Global estimates 2020, trends and the road forward(UNICEF 2021)
18歳未満の子どもが、心身の成長をさまたげられる状態で働くことを「児童労働」といいます。貧困、親の失業や病気など、さまざまな理由で子どもが働かざるをえなくなるのです。また、家で長時間お手伝いをする女の子など、見えない児童労働もあります。
児童労働が多い地域は、サハラ以南のアフリカです。約4人に1人の子どもが児童労働をさせられています。たとえば、工場で長時間働かされたり、危険な鉱山で石を掘る作業をさせられたりします。簡単なお手伝いやアルバイトとはちがい、こうした児童労働によって、子どもたちは学校に通えなくなったり、心に大きなストレスがかかったり、健康をそこなったりします。子どもらしく生きる時間や、学び、成長するチャンスがうしなわれてしまうのです。