メンタルヘルス
世界のあらゆる場所で、子どもや若者が心の健康をそこなっています。わかっているだけでも、10~19歳の少なくとも7人に1人が心の病気を抱えています。また、それよりはるかに多くの子どもや若者たちが、貧困や格差、差別、そして人間関係のこじれなどからくる「生きづらさ」を心に抱えこんでいます。そのほとんどは、発見されることも、サポートされることも、治療されることもありません。人生の大切な時期に、心の不調や心の病気によって子どもや若者の未来がうばわれぬよう、ユニセフはさまざまな取り組みをしています。
偏見や差別に負けず自分を語ろう #LoveMyself キャンペーン
ひとりでなやみを抱えず、だれかと共有し、助けをもとめることが、心の健康を保つためにはとても大切です。しかし、メンタルヘルスにまつわる根強い偏見や差別が、子どもや若者を支援や治療から遠ざけています。ユニセフは、世界的ヒップホップグループBTSと「#Love Myself(自分自身を愛そう)」キャンペーンを展開。さまざまな理由で自信をうしない、生きづらさを感じている世界中の若者に、「自分自身のことを語ろう」と呼びかけました。
© UNICEF/UN0531087/Haro、© UNICEF/UN0237948/Nesbitt
心の健康を守る 心理社会的支援
自殺数の急増など深刻な問題に直面していたカザフスタン政府から支援をもとめられたユニセフは、医療機関や学校が協力する「思春期のメンタルヘルスと自殺防止」プログラムを導入しました。子どもや若者たちが心の問題を相談しやすい環境をつくり、偏見や差別の問題にも取り組んでいます。臨床心理士に相談できる活動に参加した15歳のカイラトさんは「いろいろなやみがあったけど、忘れることができた」と語ります。
© UNICEF/UN0474923/Babajanyan/VII Photo、© UNICEF/UN0474191/Babajanyan/VII Photo
子どもの幸福度を上げるため 政策への働きかけ
ユニセフは、先進国における子どもの状況を比較・分析する報告書を発行しています。2020年の『レポートカード16』では、日本の子どもや若者の「精神的幸福度」が38先進国のうち37位であったことを伝えました。この報告は日本でも大きな反響を呼び、メンタルヘルス支援の改善をふくむ「子どもの幸福度を上げるための取り組みの強化」をもとめるユニセフのメッセージは、日本の国会でも取り上げられました。子どもたちの権利が守られるよう、「アドボカシー活動」と呼ばれる政策への働きかけをユニセフは今後も続けていきます。
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