気候変動

世界中いたるところで起きている異常気象によって、子どもたちに危険がせまっています。サイクロンは、学校や病院、道路、水道を破壊します。熱波や干ばつは、ふだんから満足な食事ができない子どもたちの栄養状態をいっそう深刻にします。洪水は、ただでさえ貴重な飲料水をよごし、家をこわし、子どもがかかりやすいコレラなどの感染症を引き起こします。

先進国に住む人々のこれまでのふるまいが招いたともいえる気候変動。その影響をもっとも大きく受けているのは、自らを守る術を持たない開発途上国の子どもたちです。

子どもの声を政策に 子どもパブコメ

キリバスでは気候変動の影響で海面が上昇し、通学路が今にも海にしずみそう
ユニセフは子どもの声を政策に反映するためのさまざまな活動をおこなっています。日本ユニセフ協会の取り組みのひとつが、オンラインで子どもの声を集める「子どもパブコメ」。2022年には、気候変動や環境問題への取り組み強化を各国にもとめるため、世界の子どもたちから意見を集める国連子どもの権利委員会に協力して、「子どもパブコメ2022」を展開。日本の子ども約1500人の声が、国連子どもの権利委員会に届けられました。
子どもパブコメ2022ホームページ

変化をつくる世代 環境活動に取り組む若者を支援

マングローブの葉から再生紙をつくる活動をしているコロンビアの若者たち
「私はウェンディ。19歳。コロンビアの大学で、仲間といっしょに、ロバの糞やマングローブの葉をつかって再生紙をつくる『エコマングラーテ』というプロジェクトをやっています。自然が私たちにあたえてくれたものを、少しでもお返しできたらと思って。自分たちを〈変化をつくる世代〉だと思っています。だから、リスクもおそれません。気候変動問題を解決しようと決意した世代です」。ユニセフはこうした若者たちの活動を支援しています。
大学で再生紙をつくるウェンディさん

太陽でワクチンを冷やす 再生可能エネルギーの活用

カンボジアの地方の村で予防接種を受ける女の子
ワクチンは低温を保ったまま運ばないといけないので、電気がない地域まで届けるのは簡単ではありません。かつては電気がない地域でもつかえる灯油燃焼式の冷蔵庫がありましたが、ユニセフは1990年代から太陽光発電式のものを取り入れ、2010年には、バッテリーをつかわずに太陽光発電した電気だけでつかえる冷蔵庫を開発しました。再生可能エネルギーを活用した、安価で環境にもやさしい冷蔵庫の導入が進んでいます。
低温で保管されるワクチン