HIV/エイズ

世界的に見て、子どもや若者たちへのHIV/エイズの感染予防と治療の取り組みはまだじゅうぶんではありません。出産時、授乳時、思春期にも新たな感染者が出ていて、HIVとともに生きる子どもや若者が検査や治療をじゅうぶんに受けられていません。その結果、毎日何百人もの人々が命をうしなっています。

HIVに感染せずに誕生し、感染しないまま20歳をむかえる世代の実現のため、ユニセフは、子どもと若者たちをHIV/エイズから守る活動に取り組んでいます。

すぐに治療できるから HIV早期診断

カビテさんと2歳の娘。毎日薬を飲んでいます
従来のHIV診断は、検査所に血液サンプルを送るため、診断結果が出るまでに数カ月かかりました。ウガンダ政府とユニセフが導入した「ポイント・オブ・ケア装置」は、7時間で結果が得られます。HIV陽性の子どもは検査後すぐに治療を受けられるようになり、結果を待つあいだに病気になることもなくなりました。カビテさん母子はHIVとともに生きています。赤ちゃんのころに診断を受け、すぐに治療をはじめられた2歳のヌーリエちゃんも元気です。
ポイント・オブ・ケア装置による診断中

同世代から伝える 若者への感染予防啓発

学校でHIV感染予防の啓発活動をするカメルーンの若者
カメルーンの若者たちが学校を訪れ、同世代の若者にHIV/エイズ感染予防の啓発活動をおこない、HIVに対する意識を高め、感染予防の知識を伝えています。若者たちは同世代が伝える言葉に耳をかたむけます。カメルーン東部はHIVの感染率が高い地域のひとつ。ユニセフは若者たちとともに、都市部や都市近郊に住む若者たち、特に女の子や若い女性のあいだで、HIV感染予防の取り組みを続けています。
自分たちの地元でも啓発活動

心を支えるメンター 若い母親への支援

相談できる人がいてくれて良かったと語るリサさん
HIVとともに生きている18歳のリサさんは、妊娠中。「妊娠がわかったときはさけびました」と言います。ジャマイカでおこなわれている「メンター・マム」は、HIV陽性者のメンター(導き手)が経験をもとに、HIV陽性の若い母親に向けて母子感染予防の知識を伝える取り組みです。リサさんはここでメンターに出会い「私を批判しない人たちとHIV/エイズについて話すことができて安心します。良いまなびになっています」と語ります。
なやみを抱える母親に語りかけるメンター

どこにいても専門家と 遠隔治療

抗HIV治療のため地元の病院に来たラジちゃん
HIV/エイズ治療のため、地元の病院に来たインドの農村に住むラジちゃん。しかしこの病院ではHIV/エイズ治療の体制が十分に整っていません。そこで医師や保健員は、電話やインターネットで州の中央病院の専門医と相談しながら、ラジちゃんに治療をおこないます。こうした遠隔治療が、多くの地区でユニセフの支援によっておこなわれています。どこにいても専門家と相談することができ、子どもたちは安心して治療を受けられます。
両親と診察の順番を待つラジちゃん