インクルージョン

インクルーシブとは、だれもが受け入れられる、ということです。ユニセフは、だれもが受け入れられる社会をめざして、民族や性別、障がいなどさまざまな差別が社会からなくなるよう取り組んでいます。

障がいのあるなしにかかわらず、子どもたちが通常学級でまなべるようにするインクルーシブ教育や、貧困や難民であることで社会から取り残されてしまわないようなさまざまな支援など、個人への差別に対処するだけではなく、構造的な差別をなくすために取り組んでいます。

貧困の中に取り残さない まなび、あそぶ場の提供

ゴミ捨て場で暮らしている少年
ブルンジのゴミ捨て場に立つ少年。彼らは家族とともにゴミ捨て場で生活し働いています。貧しさから学校にも通えず、ゴミの山からまだ売れるものを見つけては、生計の足しにしているのです。ブルンジは世界でもっとも貧しい国のひとつです。ユニセフは、ゴミ捨て場周辺の地域に住む子どもたちのために、レクリエーションスペースを提供し、子どもたちにブロックや積み木などであそんでもらうほか、教育支援もおこなっています。
レクリエーションスペースであそぶ

ともに平和に暮らすために 難民と地元住民がまなぶ学校

高校でも勉強して将来は医者になりたいと話すハッサンさん
ハッサンさんはソマリアからエチオピアに逃れてきた難民です。18歳ですが、母国では教育を受けられず、今は中学2年生と同じクラスでまなんでいます。通っているのは、難民と地元住民の子どもがいっしょにまなぶ学校。ユニセフは、ソマリアの難民とエチオピアの地元住民の子どもたちが仲良くなれるよう、この学校を支援しています。学校生活で、ともにまなび、あそび、スポーツをすることで、きずなが深まっていきます。
スポーツやあそびでもみんな仲良く

障がいがあってもいっしょに インクルーシブ教育

学校だけでなく自宅でもしっかり勉強しているホルヘさん
パナマの公立小学校に通う小学5年生のホルヘさん。知的障がいがありますが、通常学級でまなんでいます。担任の先生は「障がいがあっても、将来自立できるようなスキルをここでまなんでいます」と語ります。障がいのある子どもと障がいのない子どもがいっしょに教育を受けることを「インクルーシブ教育」と言います。ユニセフはインクルーシブ教育を広め、障がいのある人も積極的に参加できる社会をつくることをめざしています。
ほかの子と同じように授業に参加

いっしょにあそぼう インクルーシブな公園づくり

「一番好きなのはシーソー。すごくうれしかった」とアマルさん
ヨルダンの難民キャンプで車いす生活を送る9歳のアマルさんは、ユニセフの支援で治療を受けています。ヨルダンの難民キャンプにあるこの公園は、障がいのある子どもも障がいのない子どももいっしょにあそべるように設計されています。アマルさんも車いすのままシーソーに乗れて楽しそう。ユニセフは、難民キャンプでは初となる、だれもがいっしょに楽しめるインクルーシブな公園をつくりました。
ほかにもいろいろな遊具があります

女の子もサッカー 差別をなくすスポーツの力

サッカーをするネパールの女の子たち。みんなほんとうに楽しそう
ユニセフが支援するスポーツ活動でサッカーをする女の子たち。この支援がはじまる前まで、ネパールのこの地域では女の子はスポーツに参加できませんでした。男の子のようなふるまいは社会的に受け入れられず、ジャンプすることさえできなかったのです。親などを説得するのは大変でしたが、今は変わりました。さらに、カースト制と言って出自で差別を受ける人たちも同じチームでプレイすることで、差別の感覚もうすらいできています。
試合が終わればみんなで握手